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  • キョクチョー

山奥コーヒーハイキングしよう!(1)


深まる秋。 今年は天候に恵まれず、あったかどうかすら怪しかった夏を取り戻すように 連日、遠方より高千穂を訪れるお客様方は、秋の行楽を楽しんでいる様子である。 なるほど旅はいいものだ。日常を忘れ、初めて見る風景に浸る。 自分の住む町から離れるほどに、少しの不安とそれを押して余りあるワクワクが心を満たしていく。 しかしながら、である。 旅に出ると言っても、なかなか簡単には実行できない事情があるのもまた人なのである。 お仕事、稲刈り、道役目。学生なら部活動や宿題もあるだろう。 日常が、忘れている場合かとばかりに追いかけてくることを、 小さく善良な市民には止められないのである。 ではどうするか。高千穂キャラバンは考えた。 何も遠出をすることはない。近所でいつもとは違うことをして楽しんじゃえばいいじゃん、と。 そんなわけで今回は、割と近場で日常を忘れてワクワクできる方法を提案しようと思う。 その名も「山奥コーヒーハイキング」である。

コーヒーという存在

例えばある日の昼下がり、 昼食を終えた私が食後のけだるさに身を任せて物思いにふけっているとする。 今日の塩サバの脂の乗りときたら絶妙で それと酢の物とのコンビネーションがまた次の一口を誘い さらに白米をほおばった時には口の中がまるで高天原ていうか それにしてもコーヒー飲みたいな、と。 コーヒのすごいところは、美味いというのもさることながら それを飲むだけで、ちょっとオシャレな気分になれることだと思う。 前述のとおり、塩サバ弁当を貪り食い、頭の中でそれを反芻しているだらけた昼休みでも ひとたびコーヒーを注ぎ、マグカップを傾けるだけで、なぜか絵になる。 ような気がする。 ならば、高千穂だからできるコーヒータイムを考案し、さらにオシャレ感を出してみたい。 都会に行けば、そこらかしこにガラス張りのコーヒーショップが立ち並び 人々が背の高いスツールに腰かけて薄いパソコンを開いていたりするが それとはまた違った高千穂ならではの素敵コーヒ-体験があるはずなのだ。

何かないものか…。コーヒーを注ぎながら思案する。

奥深き道・コーヒー道

とりあえず、コーヒーを淹れるために必要なものを考えてみる。 ミル、ドリッパー、ポット、サーバー、フィルター…。 美味しいコーヒーの淹れ方を調べると、カタカナの用語がずらりと並び 豆の挽き方から抽出の仕方、果ては焙煎の仕方まで、こだわりの技法が語られている。 ムム…、それは大事なことだが、ここで高千穂らしさを出すというのはいかがなものか…。 まさか神楽を舞いながら豆を焙煎するわけにもいくまいし…。 そんなことを思っていると、一つの見出しが目に飛び込んできた。 「美味しいコーヒーの淹れ方~水について~」 水!それだ! なんといっても高千穂は山の中。 湧き出たばかりの水が近所で手に入るのは、かなりの強みである。 自然が濾過した生まれたての水を使ってコーヒーを淹れれば、 普通の水を使うより美味いに決まっている。

清らかな流れはそのままでも十分美味しい。

しかも、指南書にはこう書かれている。 「コーヒーを淹れる際には『汲みたて』『沸かしたて』のお湯を使うこと」 美味しい水を汲みに行き、その場でコーヒーを淹れるのが一番うまいってことだ。 ならば、やることは決まった。 美味しい水のある場所まで、コーヒー道具一式を持って行く。 やっぱりコーヒーがおいしいなあと感じるためには、ちょっとした苦労も必要だろうから そこまでは軽い運動を兼ねて歩いていくのがいいだろう。 やっぱりコーヒーに合う食べ物もほしいよね。 そして、たどり着いた山奥で最高においしい一杯を飲む。 素敵じゃないか! よし、ではこのイベントを、「山奥コーヒーハイキング」と名付けよう!

テンションが上がって、ロゴまで作っちゃった。

準備はいいか、野郎ども

朝10時。役場前。

空模様はあいにくの曇りだが、体を動かすにはちょうどいい。 集まったメンバーも気合十分である。 気になる今回の目的地は、 ご利益のあるご神水が湧いているとして町外のファンも多い「秋元神社」とした。 神社の境内に湧き出す湧き水は、硬度が低いかなりの軟水とのこと。 まろやかなコーヒーが期待できそうである。

町内でも屈指の山奥ですが、参拝者がたくさん。

ちなみにメンバーの持ち物は、次の通り。 【持っていくもの】 1.コーヒー豆 2.手動コーヒーミル(豆を挽くやつ) 3.ドリッパー(コーヒー粉を入れて抽出するやつ) 4.コーヒーフィルター(ドリッパーに装着するやつ) 5.サーバー(コーヒーを落とすやつ) 6.簡易ガスコンロ 7.水を汲む用の水筒 8.マイカップ 9.ゴミ袋 10.「松のパン」のパン 今回は持っていかなかったが、レジャーシートや折り畳みの椅子なんかがあれば、 もっと素敵なハイキングになるはず。 さてということで、ハイキングならば約1時間程度、軽く汗をかくくらいの道のりがいいだろう。 出発地点まで、レッツ!キャラバ~ン!

せいやっ

いざ、山奥コーヒーハイキング

ざんっ!

ものすごいジャンプ力(偽)でもって着きましたるは、向山地区・旧向山南小学校。 目指す秋元神社は、ここから約5.4kmである。

かつては175人ほど生徒がいた小学校と思うと、ちょっとさびしい。

学校の入り口は「人生向上の坂」

ありがたい名前の坂を上り、ハイキングスタート。 小学校前にいた近所のばあちゃんズと挨拶をし、早くも癒される。 ばあちゃん 「どこまで行くとね?」 キャラバン 「秋元神社まで!」 ばあちゃん 「えっ」 キャラバン 「えっ」 あれっ。 ばあちゃん、なんか心配そう。 またまたそんな、言うても5.4kmでしょ。 我々若人ですから、大丈夫ですって。

やや不安を感じながらも出発する。

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