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THE 消防団(1)

ゆりゆり

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梅雨があけ、いよいよ夏本番を迎えるころになると、 高千穂の男性諸氏がなんだか落ち着かない。 大好きな飲みかたのお誘いを「今日、消防だから…」と断ったりしている。 聞けば、月末に控えた「消防操法大会」に向けて毎夜練習に励んでいるという。 仕事中でも、プライベートタイムでも、 ひとたび火災を告げるサイレンが鳴ると駆け出していく男たち。 また、高千穂の結婚式にお呼ばれすれば 必ずといっていいほど地元消防団による“余興”が披露され、大盛り上がりを見せる。 高千穂の男たちをここまで熱くさせる「消防」っていったい何なんだ? 他県からの流れ者の筆者には?がいっぱい。 この機会に、ちょっと調べてみよう!ということで 今回の特集記事のテーマは「消防団」である。

消防団のきほんの“き”

まずは、そもそも消防団とはどのような組織になっているのかを知るべく 役場総務課・消防防災係の洋平さんにお話を伺った。

よろしくお願いいたします。 正式名称は「高千穂町消防団」。現在の団員は552名。 (お~結構大所帯!と思ったのだが、  定員は600名のため、残念ながら定員割れの状態) 団員になる条件を伺うと、条例できちんと定められているという。

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こちらが高千穂町の条例をまとめた例規集。 ちょっとドキドキする…。 書かれている条件は以下の通り。 「高千穂町消防団条例」(昭和47年制定)の第4条 (1)当該消防団の区域内に居住し、又は勤務する者 (2)年齢18歳以上のもの (3)志操堅固でかつ身体強健なもの ちなみに辞書によれば 「志操堅固」とは志や考え・主義などを堅く守り、何があっても変えないさま。 「身体強健」とは体が頑丈で健やかであること。 か、かっこいいじゃないか…。 なんだか難しいことが書いてあるように思えるが つまり、高千穂町内に住んでいるか、町内で働いている 健康でやる気のある18歳以上の人ならOKということのよう。 ちなみに性別の制限はなく、女性でも入団できる。 プロローグで「高千穂の男たちを熱くさせる」なんて書いてしまったが、 消防団員は男性だけではない。 高千穂町では現在5名の女性団員が活躍中である。

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ちなみにこの中にも女性団員が写っています。どこかな? こちらの女性団員のお話については それだけで一つ特集が組めるような気がするので、 また別の機会に詳しくお話を伺うこととしよう。

消防団の組織体系

さて、応援団でもロケット団でも「ナントカ団」 と名乗るのであれば 組織として体系を組んでいるはずである。 次は、消防団の組織体系について聞いてみた。 なになに、「高千穂町消防団」は 「団長」以下「副団長」「本部長」「分団長」計11名が属する「団本部」、 町内どこで火災があっても出動する「機動分団」、 出動エリアが決まっている一~九の分団があり、 各分団は「分団長」「副分団長」「部長」「班長」「団員」で構成されている。 むう???「団」とか「長」とかがたくさんあって、難しい…。 ちなみに各分団の出動エリアはおおよそ以下の通り。 第一分団・・・三田井 第二分団・・・押方 第三分団・・・向山 第四分団・・・岩戸 第五分団・・・岩戸 第六分団・・・河内・五ヶ所 第七分団・・・河内・田原 第八分団・・・上野 第九分団・・・上野・下野 地区の平和はそれぞれの分団に託されている。 実に頼もしい!

火災が発生したら...?

とはいえ、消防団を構成しているのはあくまでも一般の町民の方々。 お仕事もお持ちなので、各分団の消防ポンプ庫で常に待機しているわけにはいかない。 では、いざ町内で火災が発生したら、消防団はどのように出動するのだろうか。 【火災発生から消火までの流れ】 火災発生!   ↓ 役場総務課に通報が入る    ↓ 火災発生場所を特定    ↓ 無線放送と同時に出動エリアにあたる団員にメールが送信される ※機動分団は町内どこの火災でも出動    ↓ 現場で消火活動を行う まずは役場の総務課が情報を集めて、各分団員に広めていくというわけである。 ただし、この流れは平成26年7月現在のスタイル。 平成27年4月からは新たな消防活動の運用が始まるので、ちょっと注意が必要である。 平成27年4月、高千穂町を含む宮崎県西臼杵郡で 「西臼杵広域行政事務組合 消防本部」と呼ばれる広域組織が発足するのである。 (もう、漢字が多くて、目がチカチカする!)

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現在、高千穂町武道館の隣に建設中。 先に申しあげたとおり、これまで郡内で発生した火災については 一般の住民からなる消防団組織による消火活動のみで対応していたが そこに消防や救急の訓練を受けた隊員を要する広域組織が加わる。 これにより火災発生の最初の通報は消防本部に入ることとなる。 24時間、防災の専門家が待機する体制ができあがるので、 町民にとっては安心感が増し、ありがたい限りである。 ただし、この広域消防本部の活動範囲は、 高千穂町、日之影町、五ヶ瀬町の3町全域という広範囲であるため すべてを1組織でカバーするのは不可能である。 やはり、各地域を隅々まで知り尽くした 現在の消防団組織は、今後も重要な役割を果たしていくことになりそうだ。 今回、お話を伺った洋平さんも 「消防本部ができても、救急、レスキューといった分野が強化されるということであって、 消防に関しては今まで通り消防団の力に頼る部分が大きい。 本部ができても、今まで町の消防を一手に担ってきた団員の皆さんの 重要性は全く変わらないと考えています。」 と現在の心情を話してくれた。 高千穂町の消防団は、未来に向けて、 変化するところ、変わらず残すべきところのバランスを上手にとりながら、 新しい時代を迎えようとしている時なのかもしれない。

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「人を助けたあとは、牛も助ける、できれば犬も。」 「命は元にもどせないから...」と話す甲斐さん。 優しい人柄が笑顔に表れていた。

いざ、最前線へ!?

と、真面目な話でじ~んときたところで やっぱり実際の消防団活動も見てみたい!と思うのが高千穂キャラバン。 さすがに消火活動の現場を取材するのは邪魔になってしまうので、 消火活動のスタート地点、消防車庫に伺った。 レッツ!キャラバ~ン!

 
 
 
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