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  • 執筆者の写真ジャスミン

鳥居を撮り行こう (1)


日本人にはなじみ深い場所、神社。 その入り口に佇んでいるのが鳥居である。 日常目にすることも多いと思うが、皆さんは鳥居を見て考えたことはないだろうか。 「いい面構えだな…!」と。いや、失礼。「いいお顔立ちだな…!」と。 参道のはじまりに立つ鳥居は、まさに神社の顔ともいうべき存在である。 神社の人となり(この記事では“社となり”と呼ぼう)を熱く我々に語り掛けてくる。 やはり鳥居なくして神社は語れない。 そこで今回は、この鳥居を心ゆくまで面白がってみた。 高千穂キャラバンの記念すべき第1回特集記事に、神社の入り口たる鳥居。 スタートを切るという意味でもふさわしい内容と言えるだろう。

  • 高千穂と鳥居と私

高千穂八十八社という言葉があるように高千穂にはたくさんの神社がある。 神社がたくさんあるので、自然、鳥居もたくさんある。 近所で愛車を転がせば、そこここで鳥居にぶつかるといった様相である。 鳥居がそのまま鳥がいるところだとすれば、鳥、い放題。楽園である。 さて、急に私事になるが、かつて私は鳥居の隣に住んでいた。 サザエさんちと伊佐坂先生んちというレベルの隣ではなく、 ベランダから手を伸ばせば届くかも程度の隣に住んでいた。 その鳥居はマンションとマンション間の狭い路地にぴったり収まるように建っていて 文字で表わすとすれば、 マンション、マンション、マンション、鳥居、マンション、マンション、マンション のように、すごく分かりやすく“私は一味違うぞ”感を出していた。 色も赤いし、さぞ人の目には印象深かろうと 家の場所を説明するときによく話題にしていたのだが ものすごく近所に住んでいる人でもピンと来ないことがあって いかに神社が日本人にとって当たり前の風景であるかを思い知った。 完全に余談である。

  • まずは、じっくり観察

このように、もはや味噌汁と同じくらい日本人の心に刷り込まれている鳥居。 朝、味噌汁のテイスティングから一日を始めたりしないように 鳥居をじっくり見る機会はなかなか少ない。 ぐだぐだ言わずに、まずは見てみよう。じっくり。

引きで。

寄りで。

もっとじっくり。

こ、こんなところまで。

ここまでじっくりカメラを向けられてしまっては、 さしもの鳥居さんも赤面ものかもしれないが どうかその広い間口でもって、寛容に受けとめていただきたい。

  • ちょっとお勉強

うーん。 しかし、じっくり見てもこちらに何の知識もない状態では 「どっしりしてますね」とか「がっしりしてますね」とかいうぼんやりした感想しか出てこない…。 人間、よく知らない相手とすれ違っても、こんにちはくらいしか言えないものである。 ここでようやく「そもそも鳥居って何なんだ」という根本的な疑問に行き着く。 よっしゃ。ひとつ、調べてみよう。 Let's キャラバ~ン!(移動するときの効果音だと思ってください)

調べ物といえば図書館ということで、高千穂町立図書館へ向かった。 何を隠そう、ここにはたくさんの本があるだけじゃあない。 高千穂の歴史のことなら何でも聞きない!でお馴染み 社会教育指導員の田尻さんがいるのである。

教えて、田尻さん!

出るわ出るわ、歴史の知識。

紙面の都合上、いっぱいお話ししてくれた内容は割愛するが 田尻さんから譲り受けた経典をもとに、鳥居について簡単に説明しよう。 ※以下、参考文献 : 「図説 歴史散歩辞典」井上光貞 監修(山川出版社)

【各部の名称】

(1) 笠木(かさぎ) (2) 島木(しまぎ) (3) 額塚(がくづか) (4) 反増(そりまし) (5) 木鼻(きばな) (6) 貫(ぬき) (7) 楔(くさび) (8) 転び(ころ-び) (9) 柱(はしら) (10) 根巻(ねまき) (11) 台石(だいいし)

 すでに、へぇ~の連続である。  続々と出てくる専門用語。つ、使いたい…。  「この鳥居、転びが深くて趣があるね。」などと分かった風なことを言ってみたい。  (転びは深い・浅いというのか強い・弱いというのかも定かではない。) 【鳥居の種類】  様々な派生があるが、大きくは3つに分類される。  (1) 神明鳥居    伊勢神宮の鳥居を典型とする。   笠木・柱に自然木を使い、   柱が地面に対して垂直に立っていることが特徴。   基本形は貫の材が柱の外側に突き出さない構造をとるが、   突き出すものもある(鹿島鳥居)。

 (2) 明神鳥居   最も一般的で、最も多い鳥居。   柱が八の字形に傾斜する、“転び”の様式を取ることが特徴。   柱脚には“亀腹(かめばら)”と呼ばれる基盤がある。   笠木・島木は曲線を描く“反増(そりまし)”となっており、   木鼻は斜めに切られている。

 (3) 変形鳥居   神明鳥居・明神鳥居のそれぞれを原型としながら   特殊な様式に変形した鳥居。

ここまで、皆さん付いてこられているだろうか。私はギリギリです。 大きく3つに分類されていることまでは、ふむふむと思ったが 実はこの3種類がさらに細かく分類されてからが鳥居の本気である。 その分類が、何というか、その、非常に複雑なので、 断腸の思いで、端折ろうと思う。 そのかわり、高千穂の鳥居を見るうえで欠かせない鳥居の種類を一つご紹介。 その名も、「両部鳥居」。(権現鳥居・四脚鳥居とも) 鳥居の柱に四脚の小さな柱“稚児柱” が付いていることが特徴。 明神鳥居系に属する鳥居で、厳島神社の鳥居を典型とする。

こんなの。

この両部鳥居が、高千穂には多く見られるのである。

これ全部、両部鳥居。 (上段左から、二上神社、嶽宮神社、向山神社、上野神社、  下段左から、芝原神社、下野八幡神社、黒口神社、落立神社) 屋根が付いているものもあって、門の雰囲気がビンビンする。 なんとも格好いい鳥居である。

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